トピックス 2019.09.20 パソコンの内蔵カメラで盗撮被害にあわないための注意と対策
いまや多くの人が自撮りやテレビ通話などでスマートフォンやパソコンについているカメラを利用しています。
スマホやパソコンに内蔵されているカメラはユーザー側でオンとオフの制御を行ないますが、インターネットに接続しているカメラの場合、ウイルスの感染や不正アクセスによって悪意を持った第三者に勝手に操作されてしまう危険性が存在します。
今回はそのようなウェブカメラを悪用する手法とその対策について見ていきましょう。
相次ぐウェブカメラのハッキング事件
サイバーセキュリティ会社のアバストが日本国内のユーザー1,354人を対象として行なった2017年の調査では、ウェブカメラによる盗撮に対して何らかの対策を行なっているユーザーは39パーセントで、ウェブカメラが悪意を持った人物に悪用されてしまう可能性を知っていたのは43パーセントだったといいます。
2014年には、イギリスの諜報機関であるGCHQによって2008年から2012年の4年間の間に、一般市民を含むYahoo!ユーザー180万人以上のウェブカメラの映像が傍受されていたことが明らかになりました。
インターネットに接続したカメラがハッキングされる事件は日本でも起こっていて、2017年には埼玉県上尾市に設置されていた川の水位を観察する監視カメラや東京電力のカメラなど日本全国の60台以上のカメラが映像を盗み取られる事件が発生しています。
女性のパソコンやスマホを遠隔操作して盗撮を行なっている事例も海外を中心に複数確認されていますので、私たちも日頃から注意しておくにこしたことはないでしょう。
ウェブカメラへを悪用した盗撮を防ぐ3つの方法
それでは、ウェブカメラへのハッキングを防ぐ方法について確認しましょう。
OSを最新に保ち、ウイルス対策ソフトを利用する
パソコンやスマホのカメラのハッキングは、インターネットを介してウイルスに感染してしまうか、OSやアプリの脆弱性を悪用されて不正アクセスされるかの2パターンです。
そのためこれらへの対策は、基本的なインターネットウイルスの対策と同様に、OSを最新の状態に保ち、セキュリティソフトを導入して定期的にウイルスチェックを行うことで対応できます。
設定でウェブカメラを無効化する
場合によっては、カメラを使う必要のないときにはパソコンの設定で無効にしてしまうことも有効です。
Windowsの場合は、「コントロールパネル」から「ハードウェアとサウンド」を開き、「デバイスとプリンターの項目」にある「デバイスマネージャー」でカメラを無効にすることができます。
デバイスマネージャーのページで、カメラを選択すると「Webカメラ」という項目が表示されますので、マウスの右クリックでカメラ機能を「無効」に変えましょう。
Macを利用している場合は、標準でカメラを無効にする機能が搭載されていないため、専用のアプリやセキュリティソフトをダウンロードとする必要があります。
カメラを物理的にふさぐ
ウェブカメラ を利用した盗撮被害にあわないため簡単で手っ取り早い方法としては、カメラを物理的にふさいでしまうことも有効な方法です。
カメラのレンズ部分にシールや付箋を貼ることで万が一遠隔操作をされてしまった場合であっても、プライベートな映像が流出してしまうリスクをゼロにすることができます。
終わりに
パソコンや標準で搭載されているウェブカメラは便利な存在ですが、カメラを悪用するウイルスに感染しても、感染していることにすら気づかないでいる可能性も十分考えられます。
そのような事態への未然の備えとして、普段利用されている端末の状況を一度見直してみてはいかがでしょうか。
【関連リンク】
・Three out of five Americans concerned hackers could spy on them via their webcam(Avast Blog)
https://blog.avast.com/avast-webcam-survey-us
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock