ニュース 2019.07.01 急増するサポート詐欺、電話を使った手口に注意
パソコン上に偽のセキュリティ警告を表示させ、有償のソフトウエア購入や修理サポートの契約に誘導する「サポート詐欺」の被害が、2015年以降相次いで発生している。
中でも最近は偽の警告画面とともに電話番号を表示して、偽のサポートセンターに電話をかけさせ、電話をかけてきたユーザーに対して有料のサポート契約などを勧め言葉巧みに金銭をだまし取る手口が確認されている。
今年に入ってからのサポート詐欺相談件数は過去最多
表示される偽広告の内容は基本的に「PCが複数のウイルスに感染している」というもので、「個人情報や銀行情報が危険にさらされている」という警告が表示されるものもある。その上で、ただちにウイルスを駆除するためのセキュリティチェックやウイルスソフトのダウンロードを促すというものだ。
情報処理推進機構(IPA)では、こういったサポート詐欺のようにウイルス検出などの偽警告を表示させる事例について、2019年1月から3月までの3カ月間に500件を超える相談が寄せられたことを発表している。
サポート詐欺の相談件数(出典:情報推進機構)
ソフトのインストール前にもう一度確認を
この手の詐欺は数年前から存在するものの、その手口は年々巧妙化しており、最近では警告の画面にウイルスソフトの販売を行う大手サイバーセキュリティ企業のロゴが使われたり、「Microsoft News」などWindows 10の公式アプリ内でもこの手の詐欺広告が表示されていることが確認されている。
不正な広告画面の例(出典:トレンドマイクロ)
偽広告にだまされてソフトをインストールされてしまうと、個人情報の流出だけでなく、パソコンを遠隔操作されてしまう危険性もある。
対策としては、警告画面に表示された電話番号には電話をかけずに警告画面を閉じることだ。情報推進機構の担当者は「不用意に電話せず、不安なときは身近な知り合いに相談してほしい。安易にソフト購入はしないで」と呼び掛けている。
【関連リンク】
・情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2019年第1四半期(1月~3月)](情報推進機構)
https://www.ipa.go.jp/security/txt/2019/q1outline.html
・偽のセキュリティ警告によって有償の「ソフトウエア購入」や「サポート契約」をしてしまう相談が増加中 ~インターネット利用中に表示される偽の警告画面にだまされないで!~(情報推進機構)
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20180718.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock